幸福とは何か
ジェントルメーン
最近寝る前に本を読んでます。
最近読んでるのはこの本 ↓
山口瞳さんが週間新潮で連載していた「男性自身」の中から、
重松清さんが傑作を選び抜いた本です。
1話ずつ独立してるので、目次から気になったものをつまみ食いしてます。
昨日読んだのは、「人生は楽しいか」という話。
クレイトン・サラディというアメリカ人が登場するのですが、とにかく彼がユーモア
山口さんが出身を聞くと、
Where are you come from?
クレイトンは答えます。
Mother.
たしかに...と思わず頷いてしまいました。
そんなクレイトン
やっぱり常人とは視点が違います。
話題がパラシュートの話になったとき、彼はこう呟きます。
今はもうとてもできないよ、怖くて
山口さん、理由を尋ねる。
返すクレイトン
どうして出来ないかというと、それは人生が楽しいからです
山口さんは驚きます。
僕も驚きました。
続けてクレイトン
そのときはコドモでした。でも今は、人生が楽しいということがわかったから出来ないよ
そのあとに
> クレイトンが少年時代にひどい貧乏をした話はきいたことがある
とあります。
これを読んでから寝るまで、日が昇って沈むまで、僕は何かトンカチのようなもので叩かれた気分でした。
なぜなら、僕には今までパラシュートを求めて生きている部分があったから
そのくせ、自分は幸福だと自分に言い聞かせている部分もあったのです。
冷静に考えれば、人生が楽しいなら、パラシュートは遠慮しますよね。
長い間、自分で自分を騙していた気がします。
幸福とは何か。
クレイトンの気持ちまで到達することは今はできないけど、
すくなくとも、幸福でないと気づくことはできました。
おかしく思うかもしれませんが、幸福でないと認められたら、自分が一歩、幸福に近づいた気がして嬉しくなりました。
ああ、俺は寂しいよ。
ちなみに、
この話を読んだとき、
ドラマ「白い春」「スワンの馬鹿! 〜こづかい3万円の恋〜」
も思い出しました。
白い春で吉高由利子さんが
「みなさん本当にそんな小さい幸福でまんぞくしてますか〜!!」
みたいなことを叫んでいた記憶がある。
スワンの馬鹿では成宮寛貴さんが
「あなたみたいに小さな幸せで満足している人には分からないでしょう。」
みたいなセリフを言っていた記憶がある。
ここで出てくる「小さな幸福」「小さな幸せ」がクレイトンの感じている幸福に近いんじゃないかと思う。
実際、この二人は目を逸らし続けていたものに反撃されて最終的に考えを変えます。
お金も権力もあるのに幸せを感じられない芸能人やアーティスト、政治家なんかも似たような問題を抱えてるんではないだろうか。
というか、このクレイトンの発言は、人間の幸福の本質を突いているのではないかと思う。
幸福とは何か。
目次を読んでいて気づいたんですが、
実はこの「男性自身」 中年編には
「幸福」や「幸福とは何か」というタイトルがついた話も掲載されています。
読むのが楽しみです。
ps.
「人生は楽しいか」という話を紹介したのに、タイトルを幸福とは何かにしてしまいちょっとややこしくなってしまいました。でも僕にはこのタイトルがしっくりくる