自分に嘘をつかない

内面を言葉で表現する

アイスタイム

今週のお題「わたしのイチ押しアイス」

 

アイスって歯に沁みる。

 

特にガ◯ガリ君タイプのアイスはどうやったって歯に沁みる

 

お腹も冷える

 

アイスだからお腹も当然冷える

 

そういうわけで俺はアイスをあまり食べない

 

コンビニ行ってもアイスは買わない

 

いくら安くても手が伸びない。

 

ただ、

 

人には誰でも

 

アイスに夢中になる時代がある

 

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200×年、夏。

 

俺は母方の祖父母の家にいた。

 

太陽はギラギラと照り、セミは互いに張り合うかのように大声で鳴く。 

 

テレビからは甲子園の中継が流れており

 

お爺ちゃんお婆ちゃんお母さんは

 

見テーブルを囲んで談笑している。 

 

大人とのおしゃべりは好きじゃないし

 

遠い世界の話にも興味のなかった俺は

 

一人、面白いもの探しをしていた。

 

庭の片隅に白い箱をみつける

 

なんだなんだ

 

開けると、中はガンガンに冷えていた

 

冷凍庫というやつらしい

 

魚がたくさん入っていた。

 

そりゃそうだ

 

お爺ちゃんお婆ちゃんは漁師だから

 

録った魚をいれておいたんだ。

 

...おや?

 

魚以外にも何かあるぞ

 

大きさは握り拳ひとつ分くらいで

 

薄い緑色をしたものがあった。

 

形は丸い。 

 

なんだこれは???

 

アイスだった。

 

それはメロン型のアイスだった。

 

メロンの型に入ったメロン味のアイス。

 

フォルムといい味といい、

 

当時の俺にはドンピシャリだった。

 

夢中になってそれを平らげる

 

それから俺は

 

来年も再来年も家へ行くたびに

 

メロン型のアイスを食べるようになった

 

お爺ちゃんお婆ちゃんの家には

 

なぜかいつもたくさんのアイスがあり、

 

俺はそれを食べるのが楽しみで楽しみでしょうがなかった。

 

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201x年、現在

 

今はもうアイスを食べない。

 

歯はキーンとするし、

 

お腹は冷えて調子悪くするし、

 

ろくな目に遭わない。

 

なのに、あの頃食べたメロン型のアイス

 

あれをときどき思い出す。

 

今食べても

 

こんな味だったっけ?

 

と思うことだろう。

 

もう、あの頃あの時食べたアイス、

 

あれ以上のものには出会えそうにない。

 

名画、スタンドバイミーの有名なセリフに

 

「12歳の少年のころのような友情は

 

大人になってからは二度ともつことは出来ない」

 

というものがある。

 

私にいわせればこうだ。

 

「少年のころに食べたアイスの味は

 

大人になってからは二度と味わうことが出来ない」

 

メロン型のアイス、まだ売ってるんだろうか・・・。