自分に嘘をつかない

内面を言葉で表現する

息子と父親

  

今週のお題「おとうさん」

 

 

この世には、不思議な関係がいくつかある。

 

父親と息子。

 

 

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http://www.bestweb-link.net/PD-Museum-of-Art/960/index/Morisot/No.033.jpg

 

 

最近、講義で単為生殖の話を聞いた。

 

単為生殖というのは、オスがいなくてもメスだけで子孫を残せることだ。

 

話によると、どうやら、単為生殖というのはわりと多くの生物ができるようだ。

 

身近なところでいくと、ヘビやトカゲ、サメなど。

 

なんでも今では、人間が手を加えれば、マウスだって単為生殖できるらしい。

 

哺乳類なんて人間の親戚みたいなもんだから、人間だってそろそろだろう。(倫理的に揉めると思うが)

 

さて、そう考えると、父親の意義ってなんだろう。

 

亭主元気で留守が良い、といわれるように奥さんからは厄介者扱いされるし、子どもだって大体は母親のほうに懐く。

 

加えて、最近は女性の社会的地位があがってきており、男性の武器である経済力も衰えつつある。

 

これで人間が単為生殖なんてしだしたら、父親たちの立場はどうなる。

 

父親はもう、お役御免なのか。

 

いや、そんなことはない。

 

母性が偉大であるように、父性もまた偉大であるのだ。

 

父性が偉大であるから、父親もまた大切な存在なのだ。

 

ただ、父性というのは理解するのに時間がかかる。

 

母性が幼子でも理解できるほどまっすぐな感情であるのに対し、父性は入り組んでおり、あとになってから分かることが多い。

 

おそらく大体の人は、お金を稼ぎはじめる年頃になって、ようやく父の想いに気づき始めるのではないだろうか。

 

では、父の想いとは、父性が与えるものは何か?

 

父性の根源は子に対する愛情だと思うが、

 

そこから派生する想いの中でもっとも特徴的なものは、

 

強さではないか。

 

たとえば、ボクサー・辰吉丈一郎さんがそうではないだろうか。

 

辰吉さんの「とにかく負けを認めるな」という言葉は、父親の粂二さんから受け継いだものらしい。

 

辰吉さんは言葉通り、チャンピオンのまま引退するため、今でも前に進み続けている。

  

私も以前ボクシングをやったことがあるので、

 

辰吉さんの挑戦は想像するだけで込み上げてくるものがある。

 

それほど辰吉さんはとんでもないことに挑戦しているのだ。

 

とにかく、そんな辰吉さんの持つ強さは、粂二さんから教わったところがあるんじゃないか、と言いたいのである。

 

息子にとって、父親というのは特別で、

 

父親というのは、息子にとって憧れなのかもしれない。

 

だから、父親のいうことならどこか信じられる。という気持ちになるのだろうか。

 

かくいう私も、心のどこかで父親の影を追っているところがある。

 

タイプが違うので、同じように生きることはできないが。

 

ただ、父の背中をみてきたからこそ、

 

私は自分の足で歩けるのかもしれない。