麒麟、鳳凰、大海、そして聖人
中庸だっけか?
四書五経のどれかの本に、種族の中で秀でたモノ、について書かれていた。
獣のなかで秀でるのが麒麟。
鳥は鳳凰。
水たまりが大海。
そして人は、聖人。
種族の中にごくたまにそういうのが生まれるんだってさ。
確かにどれもすごいよなあ。
麒麟てなんか幻想的で雷纏ってめっちゃ速いイメージだし、鳳凰ってその翼の一振りで物凄い突風を起こして周囲全部のもの破壊しそう、かと思いきや飛蝗の集団なんかの集団を追い払う救世主みたいな雰囲気もあるし、大海はとんでもなく広いし。
それで聖人。
まあよく言われるのが三大聖人か。
釈迦、キリスト、孔子。
釈迦やキリストについてはよく知らん。
ただ孔子については論語を読んだから少しはわかる。
彼はどこが秀でて人のなかで頭一つ飛び抜けたのだろうか。
まず一つはその影響力か。
孔子の考えは儒教の元になり、国単位でその思想をアジアに浸透させた。
つまり宗教か。
ん、仏陀も仏教で、キリストもキリスト教。
ということは聖人の条件は、他人を救うこと、そしてその数、といったところか。
より多くの人を救う人が聖人になると。
俺には難しそうだな。
たった少しの周りの人すら心配させっぱなしだ。
とはいえ、諦めるわけにはいかない。
数については置いといて、救うなんてたいそれたことでもないけど、少なくとも俺の周りの人間が困ってたら助けられるようにはなりたいわけよ。
それでいて、俺の行動が、したいと思ったことをしても、誰も傷つけないようなら嬉しいなあ。