自分に嘘をつかない

内面を言葉で表現する

母と子

 

おじいちゃん、おばあちゃんは孫が大好きだ。

 

家にいくと いつも笑顔で迎えてくれる。

 

オカシはくれるし、ジュースは飲み放題

 

小遣いくれるし 晩御飯は豪華。

 

最近、おばあちゃんが亡くなった。

 

亡くなる前に会うことができたのが唯一の救いだ。

 

以前から体は弱ってはいたものの、そろそろ危ないという話を聞いたときは

 

まさか と思った。

 

おばあちゃんはなんで俺にあんなに優しかったんだろう。

 

おばあちゃんは俺の中では、世界で一番優しい人 だった。

 

怒った顔をみたことがない。悪口を言うのを聞いたことがない。嫌なことをしているのを見たことがない。

 

おばあちゃんの印象は、みんな口を揃えて 優しい だった。

 

俺に優しいのは、そもそもおばあちゃんが優しいからだというのはあるだろう。

 

でも、他にも理由はあるはずだ。

 

近所の人と話すときと、孫たちと話すときとでは、質の違う優しさを感じることがある。

 

なんだろう。

 

考えてみて、浮き出てきたのは、母親の顔だった。

 

そういえば、おばあちゃんのあの顔は母とすこし似ていた。

 

愛情。それもあるだろう。

 

でも他にもあるんだと感じる。

 

時間をかけて 丁寧に歩をすすめていくと、

 

最終的には、母の存在が理由だと思った。

 

噛み砕いて話すと、

 

母は子を大切に思う。

 

子がいることで母は幸せになれる。

 

おばあちゃんにとって、俺のお母さんは幸せの象徴で、

 

そんな大切な母を幸せにできるのが、母の子である俺だ。

 

だから、自分の子を幸せにしてくれる孫に、

 

あれほど優しくなれるのだろう。

 

俺は以前、

 

祖父母は自分の子より孫のほうが好きなんじゃないかとイタイ勘違いをしていた。

 

違った。

 

子が大切だから、孫が大切なんじゃないか。

 

そう思うようになった。

 

母とその姉妹はおばあちゃんの見舞いを欠くことはなかった。

 

おばあちゃんのまわりには最後まで家族がいた。

 

すごい人だった。