私の世界の広がりを感じるとき
私の世界の広がりを感じるとき
夏、蝉の幼虫が殻を破る。
ミーン
ミーン
一週間のご褒美タイムを得る
*
この頃、
木々が赤く染まり、街にも紅葉が訪れた。
始まりは終わりの余韻を仄かに含むのか、
夕方が過ぎても、まだどこかまとわりつくようなぬるい風を感じる。
どうやら夏の野郎は未練たらしのようで、
パタッとくたばるのはもう少し先らしい。
あっ
そうそう、
話変わるけど、そういえば最近人と関わることが増えたんだよな。
住み込みの話はしたっけ?
ほら、夏の間に住み込みバイトしてお金貯めたってやつ。
あの時周りにずっと人がいたから自然と鍛えられたらしくてさ、
なんか以前より、人付き合いができるようになったんだよね。
まあ、まだまだ人見知りなところは多いんだけど。
それでさ、
今シェアハウスってやつに住んでんだけど、
住人とたまに会話すんのよ。
え?どんな会話って?
たわいもない話だよ。
普段何やってる人とか、ご飯何作んのとか、
若い者同士だから、将来何したいとかさ。
ん。
まあそれだけなんだけどね。
大風呂敷広げたわりには中身がないって??
いやいやいや、
旦那方、オネエさん方、馬鹿言わないでくださいよ
何事もスモールなんすよ。
大体がスモールの積み重ねでできてんすから
だからビッグはスモールとそう変わらないと思うんすよね
ほら、自分の中では思いっきり悩みのタネであることが
他人から見たらどうでもいいこと、みたいな。
ビッグはスモールなんす。
だから、オイラの話もこれ実はビッグなんすね。
ま、話はここで終わるんすけどね