自分に嘘をつかない

内面を言葉で表現する

Q. あのー、苦手なことから逃げていいですか? A. それはね…

 

Q. あのー、苦手なことから逃げていいですか? A. それはね…


生きていると必ず誰もが一度はぶつかる問題

「苦手なことから逃げる?逃げない?」

昭和の頃までは逃げずに克服しろという意見が多数派だった。

これは受験制度が影響していると考えられ、

5教科全て出来たほうが出来ない人よりもいい大学に行けたからだ。

当時はいい大学に行ければ大企業に就職でき、

大企業に就職できれば一生豊かな暮らしが保障されていた。

つまり、苦手な教科に取り組むことは豊かな暮らしに直結していたので、

それが拡大解釈されて、

苦手なことを克服すればいいことがある、

だから逃げるなという風潮が社会に蔓延っていた。

時は移ろいーー

人々は、山一證券、ソニー、リーマン・ブラザーズといった大企業が

倒産・経営状態悪化に陥る姿を目にする。

もはやこれまでの定理は覆された。

大企業に就職することは豊かな生活を保障するわけではない。

苦手な教科を乗り越えた受験エリートの中にも、当然報われない者が出てくる。

人々は常識を疑う

「あれ、俺あんなに頑張ったのに・・・?」

「どういうことだよ・・・大企業に入れば安泰じゃなかったのかよ・・・」

時をほぼ同じくして、時代に新たな風が吹き込まれた。

ーー IT 革命 ーー

この時代の勝者は、1つのことに秀でているオタクと呼ばれる者たちであった。

もはや平均が高いだけの苦手克服人間は重用されない。

この現状を見て人々は思う

「苦手克服しないと・・・・?あれ・・・?オタクは・・なぜ・・・?」

「オタクが輝いている・・俺たちの何倍も・・・?」

そう、ITオタクが社会で巨万の富を得ることによって、

人々の常識は大きく覆されてしまったのだ。

まさに革命。

とはいえ、頭の隅には過去の定理が焼き付いている

こうして現代人は、

「苦手なことから逃げる?逃げない?」問題と向き合うことになる。


*

さて、あなたは嫌なことから逃げる?逃げない?

私の結論は「逃げてもいい」です。

結論はそうなんだけど、実はちょっとした罠があります

それをこれから説明していきます。


まず、

人間には「合う・合わない」があります。

適正ってやつですね

スポーツを考えれば早いのですが、

たとえば相撲だったら食べても太れない人には難しいですよね?

バレーやバスケなら身長は低いよりも高いほうが有利です

だから、自分に合っていないことっていうのは合って、そういうのに向き合う必要はないんです

やりたいっていうなら別だけど、苦手ならやらなくても全く問題ありません。

ただ、この「苦手」「嫌い」っていう感情が厄介なところ。

なぜなら、人間は自分に嘘をつく生き物だから。

たとえば、恋が報われなかったらその相手を嫌う人がいますよね?

これって合わないから嫌いなのではなくて、自分を守るために嫌いと言っているだけなんです

つまり、嫌いは嫌いでも、なぜ嫌いなのかが全く違う

苦手もそうです

なぜ苦手なのかは人によって全く違う

ここで多いのが、自分の課題から目を逸らすために「苦手」「嫌い」と思い込んでいる場合です。

報われない恋の話だと、本当の問題は相手が嫌いかどうかではなく、

嫌いにならなければならないほど、相手が自分にとって大事な存在だったということです。

ここをちゃんと認めないと、心が捻れてしまいます

だって、大事な存在なのに嫌いというのは矛盾していますよね?

矛盾は矛盾を生むので、このまま増え続けると自分にも自分がわからなくなっていきます。

自分が分からなくなると、何がしたいのかも分からなくなって、生きるのが辛いですよね。

このように、人は「苦手」だったり「嫌い」という感情を、

別の問題の隠れ蓑にしようとすることが多々あります。

だから、「苦手」「嫌い」と感じたときは、

なぜそう思ったのか、自分で考えてみるのが大事だと思います。

そうこうしているうちに行き詰まります

自分を客観視することは不可能ですから必ずどこかで分からなくなります。

そうなると次は他人に意見を貰いましょう。

最初から他人に意見を貰っていては軸が定まらないため、まず自分で考えてみることがコツですね。

というわけで、

結論は上で述べたとおり、「苦手なことからは逃げてもいい」なんですが、

ただ、

苦手と思っていることは、実は別の問題をすり替えている場合も多いので、

自分はなぜ苦手と思ったのか、そして周りからはどう見えるのか、

そこをきっちりしておくことが大事だと思います。

本当に、自分で自分に嘘をつくことって多いですから

 

 

*

 

Q. あのー、苦手なことから逃げていいですか?

 

A. それはね…


1. なぜ苦手と感じたのか自分で考える
2. 周りに自分がどう見えるか意見を求める
3. 自分に嘘をついておらず、本当に苦手であるなら逃げる