自分に嘘をつかない

内面を言葉で表現する

成長なんて勝手にしてるもんじゃないんすか

 

 

お題「どうしても言いたい!」

 

 

昨今、社会には「成長欲」のある人間が増えたように思う。

 

まぁ二十代半ばなので昨今以外を知らないのだが、何を隠そう私自身も「成長欲」に駆られていた(いる?)一人だからよくわかる。

 

その証拠といってはなんだが、現在書籍で人気なのはビジネス書や自己啓発本といった類らしい。

 

みんな成長したいのだ。成長するのはいいことだし、オールオッケー。

 

ただ、これって裏を返してみると、いつも足りない状態というか、飢えてる状態だよなぁと思う。

 

私の周りを見渡して見れば、安全は高いレベルで保証されているし、食べるものは山ほどあるし(というか山ほど捨てている)、娯楽にしたって手軽に楽しめる。

 

この満たされた状況で足りないとか飢えてるとか、冷静に考えてみると結構トンチンカンなんじゃないかなぁ・・・。

 

なんだろう、それなのになんで「成長欲」を駆り立てられるんだろう?

 

・・・。

 

まず思い浮かんだのは将来への不安だった。

 

日本の産業が軒並み低迷している中、少子高齢化、終身雇用制度の崩壊、年金問題、その他色々、景気減退を後押しする要因をいくつも並べられると、そりゃ当然将来も不安になる。

 

不安だから備えようという気持ちが働いて「成長欲」につながる。

 

次に思い浮かんだのはモラルの崩壊だった。

 

お金ですべて買える、とまではいかないが、ほとんど買えると思ってしまうほどには、あまりに多くのものが商品化されすぎた。

 

それが巡り巡って、お金に換算できないものすら打算で考える人が増えていると感じる。

 

友達や恋人をストラップみたいに選んだり、自分の発言や人生を誰かに預けたり、もはや個々人が進んで商品化をしているようにも見える。

 

このような状況にいると、自分だけはお金を掴んでいい思いをしたいと思ってもおかしくない。

 

そこから、お金を掴むために「成長欲」が現れるのもまた、当然の流れのように思える。

 

思いつくままに例を二つ挙げてみたが、書いていてどちらもwant(したい)ではなくmust(しなければならない)の考えだと気付いた。

 

一つ目は、不安に煽られて成長しなければならないだった。

 

二つ目は、お金が欲しくて成長するので一見wantに見えるが、これは厳密にいうとお金自体が欲しいわけではないのでwantにはならない。

 

wantはスポーツ選手をイメージしてもらえれば分かりやすいと思う。そのスポーツが上手くなりたくて「成長欲」が出る、報酬はスポーツが上手くなること。欲しいものと得られるものが直結している。

 

一方お金はお金自体を得たいのではなく、お金で換算できるものを得たいのである。例えば、お金以外のなんでも自由に貰えるとなったら、その時まだお金は欲しいだろうか?

 

答えはNoだろう。つまりお金は欲しいもののためにしょうがなく稼がなければならないものなのでmustと言える。

 

ここがスポーツ選手がwantで、お金がmustである理由だ。

 

以上のことから、昨今の「成長欲」の正体はmustの思考が根本にあるのではないかと予想できる。

 

私は、mustは人を苦しめる要因であり、wantは人を輝かせる要因だと思っている。

 

これに照らし合わせれば、今の流れは決していいものとは言えない。

 

wantをしていればいい方に向かう一方、mustをしていれば自分を追い詰める方に向かうのだから、結局、したいことをしていれば勝手に成長するわけで、成長しようなんて考えてる時点でmustなわけだからそれって黄色信号なんじゃないかと思ったりする。

 

だから、成長なんて勝手にしてるもんじゃないんすかという感じで、成長しなきゃなんて思い詰める必要はないんじゃないかな〜というのが私の感想だ。

 

それで書いていて思ったのだが、この考え自体はすでに別の形で書いてあることに気づいた。(以下、過去記事)

 

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やっぱり、やりたいことやればいいんだよなというところに落ち着く。

 

そんな難しいことじゃないんだよ。大事なことって多分シンプルなんだよな。

 

 

*

 

今回、初めの方で【なんだろう、なんで「成長欲」を駆り立てられるんだろう?】と問いを書いたわけだけど、振り返るとこの時点で答えがついていたように思う。

 

というのも、ここで無意識に「駆り立てられる」という単語を使っているのがポイントだ。駆り立てられるはwantではなくmustのニュアンスで出来ている。やっぱり無意識の自分は分かってるんだなと一人納得。

 

下のは無意識について書いている記事です。 

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