山小屋で出会った27歳の男 / 27. 石鹸
ふと、山小屋で出会った27歳の男を思い出した。
彼は自分と同じスタッフだったのだが、何やら大学院を卒業してそのまま小屋で働いているらしかった。
色々な面白い話を聞かせてくれた。
根暗の雰囲気はあったが、社交性は身に付けており会話をスムーズにこなす。
将来の夢はゴミ回収の仕事と言っていた。
作業が早く終わると就業時間も短くなるとか、クビになる可能性がほとんどないとか、色々なことを言っていたが、おそらくまあ、彼は負けたのだと思う。
当時は、夢がないなぁ。と思って聞いていた。
今は少し違う。
どこか自分と近い匂いを感じる。
おそらくだが、彼は自分の if だ。
俺も彼になりうる。
そういえば、周りから雰囲気が似ていると言われていた。
とはいえ、彼には申し訳ないが、俺は彼のようになるわけにはいかない。
俺は自分で自分の幸せを掴む。
俺は自分に負けることはない。
そう信じている。
*
27. 石鹸
今日の1日1枚は「石鹸」
なんとなく綺麗だなと思って撮った。
石鹸って綺麗だと思いませんか?
存在そのものも不思議。
石鹸って油で出来てるのに油を落とすんだぜ?
うーん。元は同じものなのに、何かが違ったせいで、油みたいに悪印象と、石鹸みたいに好印象で分かれるんだなぁ。
元は同じなのにな。
さて、俺は山小屋の男とたぶん、元は同じなんだと思う。
俺はどうすれば石鹸になれる?
何かが足りない。
その何かとは何だろう。
チャレンジだろうか?