ありすぎても困る
ありすぎても困る
やや暗かったので、部屋に電気をつけた。
今は陽が登りはじめた頃。
窓からの太陽光もあるにはあるけれど、日当たりの関係でちょっと暗い。
一時間、二時間、と電気をつけっぱなしでいた。
するとどこか居心地の悪さを感じる。
なぜか照明がやたらと気になる。
朝なのに電気をつけることに、どこか良心が責めているのだ。
んんっーーー
たしかに電気をつけると部屋はより明るくなったが、明るければその分いいというわけでもなさそうだな。
そういえば去年の夏のことを思い出した。
どこか会社のオフィスにいた時のこと。
社員の一人がクーラーをつけた。
部屋はそこまで暑くなかった。
彼はどうせ会社持ちの電気代だといって、温度を20度ほどまで下げていた。
部屋は少し寒くなり、心に何か引っかかった。
そして今思う。
ああ、この電気とクーラーは同じだ。
ありすぎても、困る。
多ければ多いほどいいってわけじゃない。
「中庸」という言葉があるように、物事にはちょうどいい加減があるんだ。
ということは人生にも?
ん〜それは分からない。
けれども、試してみることはできる。
中庸は、極端を知るからこそ為せる技なのではないだろうか。