居場所
居場所
人には居場所が必要だ。
俺は居場所を決めない遊牧民だ
なんて言ってる自称漢でさえも、
居場所なしには生きられない。
いや、もしかしたらいるのかもしれないが、
少なくとも俺はそんな人間を見たことがない。
つい最近まで、日本人は家庭や会社に居場所を見出していた。
だが昨今、婚姻率の低下やリストラの増加から
もはや家庭にも会社にも居場所を見つけられない人が増えている。
果たしてそんな人間はどこに居場所を見つけるのか。
答えは、第三のコミュニティーである。
他人同士が寄り集まった、家族とも会社とも違うコミュニティーに生きるのである。
それは慈善活動の団体だったり、地域の団体だったり、様々な形をしている。
彼ら、彼女らに共通することは
そのコミュニティー内で権力をもっていること
人間は自分の居場所を奪われる危険を感じると
鬼にもなれるので、必死にもがけばもがくほど権力を得やすい状況になる。
とはいえ、鬼は誰の心の中にも棲んでいる
表面化しないだけで、一枚皮を剥がせば、きっといる
体と心をどこに置くか、居場所がどこであるか、
どうやら人間にはとても大事なことらしい。