後になって分かること
「てかウチそれ聞いたら、マジ無理になった!」
ホームで屈託のない声が響く。
電車を待っている間は否が応にも他人の会話が聴こえてくる。
「授業中は真面目そうな顔しといてねぇ〜彼女の前ではそれ!?」
クラスの男子の話をしているらしい。
斜め後ろから聴こえる話題はどうも内容が嫌味っぽいので、
気分を害されないうちに耳に栓をしておこう。
特に聴きたい曲もなかったので、適当にアプリからレコメンドされた曲を選んだ。
あっ、この曲聴いたことある。
それはちょっと前に流行ったアニメ映画の主題歌だった。
確か主人公は元いじめっ子で、耳が聞こえない女の子を虐めていて、それで・・・
内容を思い出そうとしていると、なぜだか高校時代のクラスメイトを思い出した。
小柄で大人しく、打ち解けるとおしゃべりで、繊細なくせに丈夫なふりをする、嘘が下手くそな子。
そして、俺が酷いことをしてしまった女子。
*
その子とは出席番号が前後だったので、入学後のレクリエーションですぐに話すようになった。
馬が合ったのか、グループができてからもよく話しをしていた。
長々と書く気はないので端折って書くが、
俺はその子に友人を紹介して、その子は友人と付き合うことになった。
俺は友達と友達が仲良くなったので嬉しかった。
結局半年持たずに別れてしまうが、俺はその子とも友人とも仲が良いままだった。
3年生になり俺は大学を受験するも失敗した。
やけになって、現実逃避のために彼女を作ろうとした。
その時その子が俺のことを好きだと察していたので、手っ取り早いなと思って告白をした。
ふられた。
が、ちょっと経った後、向こうから好きだと告白された。
しめたものだ。俺はその子が好きではなかったが、女に興味があったので了承した。
その後浪人生となった俺は寮付きの予備校を選んだため、彼女とは遠距離になった。
ほぼ毎日ラインで連絡を取り合った。
その時に実は高一の頃好きだったという話をされた。
一瞬、友人の顔が浮かんだ。
連絡を取るのにも慣れ始めた頃、俺は彼女にエッチな写真を要求し始めた。
彼女は何枚か送ってくれたが、嫌だという意思はどこか伝わってきた。
それでも俺の要求はエスカレートしていった。
今思うと我ながら最低だと思う。
だが当時は彼女のことを好きではなかった上に、受験のストレスと思春期真っ盛りで性欲に支配されていた。
そうこうしているうちに受験勉強にも熱が入ってきて、彼女のことを考える余裕がなくなってきたので別れを切り出すことにした。
彼女は了承してくれた。
大人になったら飲みに行ってお互い色々とぶっちゃけよう、なんて約束をしていたが、
それは果たされることがなかった。
*
10月も後半に入るとさすがに寒くなってくる。
だからか携帯の熱が余計暖かく感じる。
音楽も終わり、次に再生されたのは静かな曲だった。
「それであいつなんて言ったと思うぅ〜?」
これは音楽ではなく斜め後ろにいる女の声だ。
しまった、曲が静かすぎると耳栓にはならないらしい。
どうしたもんかな、なんて思っていると、
胸がやたら暖かな気持ちになってきた。
さっきから無視し続けてきたが、どうやら向き合わないといけないようだ。
俺は今になってようやく彼女のことを好きだったと気づいた。
誰でもよかったんじゃない。
彼女と話していて楽しかったし、一緒に色んなところに行きたいと思っていたし、
もっと彼女のことが知りたかった。
好きだということが後になって分かるなんて思わなかった。
でももう遅い。
散々自分の欲望で振り回したことを謝りたいが、それだって今更だろう。
楽しかった思い出と申し訳ない気持ちの両方を大切にしまっておくことにした。
ふーっと一息つくと、少し気持ちが楽になった。
電車がそろそろ来そうだ。
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さて、今日の論文は数学の学び方についてです。
ちょうど僕も今数学を中学校の内容から学び直しているのでかじりついて読みました。
ではどうぞ↓
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論文
タイトル: 数学の理解を深める言語活動についての研究
URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsser/33/5/33_No_5_180507/_pdf/-char/ja
●目的: 生徒が数学で学んだ内容を活用できるようになることを目標に置き,数学の理解を深める言語活動について考察すること
●2つの先行研究:
⑴中央教育審議会答申 (平成28年12月)
深い学びとは?→「習得・活用・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう」学びのために,「主体的・対話的な深い学び(「アクティブ・ラーニング」の視点)が必要である
深い理解とは?→これまで学んだ既習事項バラバラに覚えているだけでなく,未知の状況に結び付け,対応させ,振り返ることで,自分自身で,新しい知識を創造し,関連付ける「学び」である
深い理解の習慣 → 自己内対話そのものを習慣化することが必要不可欠である
●先行研究の共通点
深い学び・理解→,認識において既習の知識と新たな課題との関係性を見いだし,関連付けることで新たに知識を得る。新たに得た知識により、既習の知識は再解釈・拡大化される。
●数学の知識を豊かにするために必要なもの
→ 自分の知識と知識を関連付ける学びの構造を構築すること
→ 言語活動によって自分自身の実感と納得を得ることが大切である
●学びの構造とは?
学びの構造 = 既知 → 新しい知識の獲得 → 既知の理解が深まる (以降繰り返し)
●言語活動を行う2つの理由
- 概念の明確化・拡大化や、自己と他者の考えの共通部分・相違部分の発見に役立つ
- 他者との対話を通じて、自分の知識のつながりを自問自答できる
●結論:
生徒が数学で学んだ内容を活用できるようになるためには、自己内対話や他者との対話を習慣づけることで,本当にこれで良いのだろうかと納得をするまで何度も自問自答することが重要である。
*
僕も今数学を学びなおしているんですが、確かに公式に執われてしまって式が持つ意味をないがしろにしてしまうことがあります。
こうやって学び方を学ぶのも大事なことだと思いました。
ちなみに、数学は定義や公理から定理を導き出して拡大していく学問ということですが、じゃあその土台となる定義や公理の定義って何ってところを考えてみました。
公理 → 無条件で事実であると決めた性質
定義 → 議論を進めるために勝手に決めた言葉
定理 → 公理により証明され、定義された言葉のみで構成されたルール
どうでしょうか。まだ自分の中でも完全にピタッときてる感覚はないです。
が、一応こんな感じで捉えています。
もっと数学知りたいな。